もくじ
八紘一宇の大思想 ─ 称賛された満州の近代化
戦前の日本には、八紘一宇という大精神があった。これは神道のこれまた類い稀な偉大な思想に基づくものである。西洋の宗教の如き排他性をもたない、傑出した思想であるといえよう。
この点を証拠づけるものは、西洋列強の東洋侵略と日本の満州国建設のコントラストであろう。
西洋列強の東洋諸国支配は搾取、収奪、奴隷化に他ならなかった。
英国が印度支配のため最初に打った手は、既存の教育関係を絶滅し、諸民族を相争わせ、言語の複雑化を計ることであった。
オランダのインドネシア支配も同様であった。そこには何ら建設的なものはなく、ただ自己のための搾取があるのみであった。
しかるに、日本の満州国建設大事業はこれとは対照的であった。
五族協和を唱い諸民族平等の関係を育て、その投資は建設的なものであった。
当時欧米でも識者は、人口3000万の満州国は十年後には人口1億を有する大近代工業国家として極東の一角にその勇姿を現わすであろうと、称賛と期待をもって見守っていたものであった。
他のアジア諸国で、欧米列強によって近代的工業国家に育てあげられた国が一国でもあっただろうか。
満州の近代化の成果は、現代に至るも中国の工業の心臓部である点をみても分かることである。
これを可能にしたのは、八紘一宇の大思想のしからしむるものである。