もくじ
35.企業経営に生かす (イノベーションに適した人間関係) アドラー心理学
2013年のベストセラー、入山章栄著 「世界の経営学者はいま何を思ってるのか」 は、もっとも面白い本だった。 世界の経営学者が、近年、取り組まれる、主要な研究テーマが、簡単に紹介されます。 その中で、シカゴ大学の、ジェームズ・コールマン教授の研究にも、興味を惹かれました。 そこは 「人間関係の結びつきの強さ」 と 「情報伝達のスピード」 との関係 です。
この研究結果によれば・・・ ① 人間関係の結びつきが 「強い」 → 情報伝達のスピードが 「遅い」 ② 人間関係の結びつきが 「弱い」 → 情報伝達のスピードが 「速い」 次に、ビジネスへの応用を考えてみましょう。 ①の 「人間関係の結びつきが強い」 方が、有利なケース ・古くからある成熟産業では、変化も乏しく、技術革新のスピードも遅いものでしょう。 ・新たな技術より、ここまでの技術を、より深く活用することに、重点が置かれます。
・「知の深化 (知識を深める) 」 が、求めるため、人間関係の結びつきが、強い方が有利です。 ②の 「人間関係の結びつきが弱い」 方が、有利なケース ・不確実性の高い、最新ビジネスなどは、技術革新のスピードが速く、既存の技術は早々に陳腐化します。 ・企業は、自ら、積極的に、イノベーション (革新) を起こさないそしたらいけない。 ・「知の探求 (知の多様化) 」 が求められるので、人間関係の結びつきが、弱い方が有利です。 アドラー心理学に、話を移しよう。
「課題の分離」 を実践すると、各人が精神的に自立するため、社内の人間関係は、よい意味合いで、①から②へ動くのではないか。 ②の人間関係は、不確実性の高いビジネスや、イノベーションに有利 と考えられます。 今の時代は、すべての産業におきまして、不確実性が高まったため、アドラー心理学が、より求められる時代に、持ち込んだのかもしれない。
次に、企業外の人たちとは、どういうに付き合っていくべきでしょうか。 成熟産業などでは、 関係業者などと、深くつきあった方が有利でしょう。 逆に、 不確実性の高い産業や、イノベーションが求められる企業は、いろんな分野の人と、浅く、広く、付き合う べきでしょう。 ぜんぜん関係のない業種の人から、意外性のあるヒントが、得られるかもしれません。