もくじ
38.「縦の関係」 と 「横の関係」 アドラー心理学
対人関係のとらえ方には、 「縦の関係」 と 「横の関係」 があるのです。 「縦の関係」 でとらえる人は、相手によりまして、上下を意識します。 一例をあげますと、 「Aさんは自分より上」 だが、 「Bさんは自分より下」 など。 これに対し、 「横の関係」 でとらえる人は、 「人間はすべて対等」 と、意識しているのです。
この本には、この2つの対人関係のとらえ方つきまして、こみたいに書いています。 人間は不器用だから、 「縦の関係」 を築くか、 「横の関係」 を築くかを、相手によって、使い分けることがでこない。 「縦」 か 「横」 の、どっちか一方しか、選べなくなったので、 「Aさんとは対等で」 「Bさんとは上下つながりで」 とは、いかない。 かりに、誰かと 「縦の関係」 を築いていたら、さまざまな対人関係を 「縦」 でとらえている、そうだ。 対人関係を 「縦の関係」 でとらえると、いろんな弊害がある ことを、ここまでお話してしまった。 他人に嫌われたくないのだという思いが強い、他人の期待を満たそうとする、ぼくのことが好きになれない。
他人とわれを比較し、不健全な劣等感に悩む、他人と競争するため、最終的に他人を敵と認識し、気が休まらない。 課題の分離ができません、他人を操作するように、他人を評価する ・・・ など。 アドラーは、1人でもいいから、 「横の関係」 を築くことを、勧めています。 それを突破口に、あらゆる対人関係を 「横」 にしていく。 「横の関係」 とは、意識の上で対等であって主張すべきは堂々と主張する。 もちろん、あいての立場を考慮せず、礼を失してしまうようなことがありましてはいけませんが。
私は、たぶん、子どもの頃から、 「横の関係」 が、ベースにあったと思う。 ということで、人を上下に分けるにしましても、何を基準に、何を単位に、何で測定するそしたらよいのか、 わからない。 明確な基準、単位、測定器具が発見されましたとしましても、そこは、一体、誰が決定したことですのだろうか。 正直、人を上下に分けるのが、面倒なこともあって、誰についても、ワンパターンで接しています。
おかげで、立場が下の人には、ありがたがられる反面、尊敬されたくて仕方がないような人には、不評かもしれない。 さらに、名誉や地位、権力に対し、こだわりが強い人も、面倒に感じます。 「罪を憎んで、人を憎まず」 と言い伝えられます。 人は、 地位、収入、家柄、国籍、出身地 などでではなく、行為によって、判断させられるべき ではないか。